土地探しはパートナー探しの機会

Staff Column

2019.08.05

前回、土地探しからの家づくりについて、ぜひご相談ください、と記事を書きました。

一番大切なのは全体の資金計画が出来ること。
土地購入・建物建設費・諸費用など、その人のご要望に合う資金計画がとても大切です。

それ以外にも土地探しからご一緒できるメリットはたくさんあります。

①ご要望が実現できる土地か判断できる
「眺望の良いリビング」「プライバシーが確保できる庭」「開放感のある大開口」など、ご要望は様々です。
敷地周辺環境などを読み取って、ご要望実現のためのアイディアやアドバイスが可能です。

②崖地やインフラ整備が必要か判断できる
古い擁壁や給排水設備は役所の指導が入ることが多いです。どのような指導によりどの程度の費用がかかるか、その場である程度ご提示可能です。
新しい分譲地でも地盤改良やフェンスなどにかかる別途費用を予想しお伝えすることができます。

③法規制や隣家の状況などからメリット・デメリットや、将来の敷地環境について予測できる
新しい造成地では隣家の建設や周辺環境の変化を予測することができます。
古い建物がある場合でも配置の工夫で問題解決の糸口をご提示できるかもしれません。

④リツデザインがパートナーとして相応しいか判断できる。
土地を見ながら意見を述べさせていただきますので、リツデザインの人と成りをご判断いただけます。

上に列記したメリットを、もう少し具体的に2つの土地から考えてみましょう。

例えば2つの土地に下見に行ったとしましょう。
一つは高価な造成分譲地、もう一つは安価な既存建物がある土地、です。

高価な分譲地は整然と区画されており見晴らしも抜群です。
分譲販売中ですから隣家も更地です。
目に付く問題は価格が高いことくらい。
さてこの土地で、隣家はどのように建って、ご要望の暮らしが実現できるでしょうか。
分譲時には見晴らしが良かったのに、想定外に隣家が大きく建ってしまい眺望が無くなってしまった、というのはありがちな話です。
リツデザインがご一緒すれば法的規制や建物面積を勘案し、おおよそどのような建物が建つかご案内できます。
そのような周辺環境を勘案した上で、居住空間の位置取りからご要望を実現する、ということも可能です。
場合によっては土地予算をオーバーしていても、建物をシンプルに設計して建物予算を抑えることで総予算を合わせられる、という判断が出来るかもしれません。

安価な土地は既存建物が建っていると仮定します。
既存建物があるとそのイメージに左右されて全体が見えなくなりがちです。
特に古く手入れのされていない既存住宅では、敷地に入るのも面倒になるくらい荒れていることも珍しくありません。
そのような土地でもリツデザインがご一緒すれば、およその建物解体費用や既存インフラ設備、擁壁などにかかる費用を割り出し全体予算を想定することができます。
築造直しの指導が出ているような擁壁がある土地でも、地盤改良等別の方法で回避でき、予想より総予算を低く抑えられるかもしれません。
また、既存建物があるからこそ2階からの眺望を確認しながら、より具体的にご要望が実現できる土地かをご案内可能です。

このように、どんなに気に入った土地でも、総予算がオーバーしたり、ご要望が実現できなければ価値がありません。
土地を見ながらご要望を確認していくことで、自分たちの将来の暮らし像が絞り込まれていくこともとても重要です。

また、土地探しにご一緒させていただくことで、リツデザインの人と成りをご判断いただく機会になるのではないでしょうか。
建築家とはこれから様々なお打合せをし、プライベートな内容についても検討を重ねる時が出てきます。
その際に話しやすい相手か、聞いてもらえる雰囲気があるか、はとても重要です。
私がお伝えしているのは、私に嫌いな癖や話し方などが無いかもチェックしてください、ということ。
長くお付き合いするパートナーですから、設計に入る前段階でご判断いただく良い機会になるのではないでしょうか。

吉田

この記事のタグ: