ロゴに込めた想い

Staff Column

2019.06.21

令和元年の今年、リツデザインは18年目を迎え、ロゴマークを刷新しました。

リツデザインの未来に込めた想いは「手の軌跡」です。

私たちは建築設計という行為を通して沢山のスケッチを描きます。
アイディアの原石である一片のスケッチから、製作にあたっての詳細な検討図面まで、一人で黙々と、ある時は職人さんと一緒になって何度もスケッチを描いて空間を編み出していきます。
もちろん製図する際にはツールとしてパソコン(CAD)上で作図検討していくのですが、アイディアの種を掴み取るには手で練ることは欠かせません。

あるいは模型。
これもスタディー段階からたくさんの模型で検討を重ねて最終形を導き出します。コンピューターグラフィックスも使用しますが、空間の裏にあるカタチを掴み取るにはそこに「空気」が足りません。子ども達が積み木で遊ぶことが無くならないように、人が空間と関わるにはリアルなモノが必要なのです。

今回ロゴマークをつくるために、私が一番信頼しているデザイナーにデザインを依頼しました。デザインセンスが優秀なことはもちろんですがパートナーとして協働した経験から、リツデザインのクライアントとの関わり方を理解し、その姿をデザインに落とし込んでくれるものと信じたからです。
デザイナーは、私たちの仕事の中で産み出される手の軌跡こそがリツデザインの素であると見抜き、手書きのRitsuDesignをロゴにすることを提案してくれました。
このRitsuDesignは私のクセ字そのものです。
でも多分、同じRitsuDesignはどこにも存在しません。

私たちも、他の誰でもない、その住まい手ならではの暮らしのクセをカタチにしたいと考えています。
物理的に同じ家は存在可能ですが、誰かと同じ暮らしは存在しません。
私たちは建築物の設計を通して、そこで始まる暮らし、未来の時間をデザインしています。
そこにはデジタルでは割り出せない、手で編み出したからこそ味わい深い時間が流れるものと信じています。

吉田