お客さまの声:原田歯科医院 院長「友人にも勧めた、大手メーカーにはない対応力と信頼性。」

Interview

2019.05.03

—— お客様に気持ち良く過ごしてもらう店舗やクリニックの設計には、ただモノを提供したり施術する場ではない、五感に響く空間演出が必要。常に患者目線で細部にまでこだわった原田歯科医院の院長とリツデザインの開院ストーリーをお話いただきました。

ハウスメーカーの見積もりと提案を経て

—— 先代から受け継がれたクリニックの建替えが決まったばかりの当時は、お二人ともずいぶんと苦労されたとうかがいました。

原田院長(施主) 自分ははじめから吉田さんにお願いをしたかったんですが、両親がクリニックの上に住むこともあって、父の意見を聞かざるを得なかった。親世代って、きっとハウスメーカーへの信用がすごいんですね。大きい企業だからこそ体制がしっかりしているんだ、というイメージ。という訳で、まずはハウスメーカー数社の見積もり取りから始めていきました。 結局、見積もりはどこも高く、自分たちの予算にはまらなかったですね。その流れを経て、ようやく吉田さんが登場する訳です。吉田さんは、デザインもカッコよくて、予算も抑えていただけて、なにより、人柄が良かったです。

吉田(リツデザイン代表) お父様は個人設計事務所で進めることに、とても心配されていましたね。

原田院長 実は、40年前に父が建てた初代の原田歯科医院は、個人設計事務所で建てたんです。それが粗が多く、住みづらくて。

吉田 お父様のご意見があまり反映されなかったようですね。

原田院長 ハウスメーカーは自社で全部やってくれるので楽で手堅い、と最後まで父はハウスメーカーにこだわっていました。だから、父の説得には時間がかかりました。吉田さんと準備を重ねて、父には最初から模型を用意しましたよ。

吉田 お父様とお会いできるようになるまでに半年かかりましたね。半年間ずっと原田院長と詰めの作業をして、お会いしてからは、私のハウスメーカーでの経験などもお話しして、徐々に信頼していただけたかなと思います。

患者様のプライバシーを守りつつ、スタッフの動線に配慮した設計

動線や収納はミリ単位で計測

—— クリニックという特殊な建物をつくるにあたり、気をつけた点などありますか?

吉田 まずは何と言っても、診察スペースですね。先生が働きやすくなるように取り組みました。当時、原田院長が勤務されていた別の診療所に伺って、毎回診察時間終了後の夜中に、いろいろな機材やものの配置などを測らせてもらいましたね。それこそミリ単位で。

—— 原田院長が意識されていたのは、主に診察室の動線だったんですね。

吉田 そうですね。院長がその診療所の動線と患者用スペースのバランスをとても気に入っていらしたので、そこを基本にして、足りないものを付け加えていったという感じです。ご自身が動くところはかなり細かく詰めていきました。収納棚や小物を収納するワゴンなど、何を入れるか明確なので、細かく採寸して仕上げていきましたね。逆にそれ以外のところは「任せます」でした。

—— 任せます、とはどんな箇所ですか?

吉田 受付などデザインの部分ですね。1回見せたら「じゃあこれで!」といった具合です(笑)。僕の紹介で、ブランディングを担当してくださるグラフィックデザイナーにも早い段階から参加していただき、配色や材質などのデザインテイストをまとめていったのも大きいですね。院長に何度もヒアリングをしている中で、院長のなにげない会話に出てきた「シアトル留学」を拾い上げて、“シアトルテイスト”をコンセプトに、チームで新しいクリニックづくりを進めました。デザインがその枠から外れないなってわかっているから、ほとんど最後までお任せいただけたんだと思います。

歯医者さんの怖いイメージを覆す、くつろぎの待合室

建築士の立ち位置はどんな建物でも変わらない

—— そのほかに、クリニックならではの難しかったところ、工夫したところはありますか?

吉田 基本的には、建築ってつくるものによっていちいち変わらないんです。それこそ僕、個人宅から、文科省の霞が関ビルなんかも設計スタッフでやっていて。でも基本的には、使う人がどう使うか想定してつくっているだけなんですね。仮に住宅でも、良いと思っていることが、人によっては悪いことになってしまう。だから、その場所その人の必要なものとか求めているものをつくっていかなければいけないという意味では、クリニックでも住宅でも一緒なんです。

原田院長 どんな建物でも建築士としての立ち位置は変わらないんですね。

吉田 そうですね、今回歯科クリニックをつくらせていただき、また別の歯科クリニックを建てることになったとしても、全く同じにつくる訳ではないですからね。コンセプトも違えば、ここで通用した常識はもう通用しないんです。

つながるご縁

—— ついに完成を迎えて、いかがですか?

原田院長 もう、感無量ですね。長かったですからね(笑)。

吉田 僕は、原田院長がリニューアルをお知らせする内覧見学会でお客様と接している光景を見て、ウルっときちゃいましたね。ついに患者さんを迎える日が来たんだな〜と。原田院長が患者さんと話している姿がまた良くて!

原田院長 今回の話とは関係ない?ですが、吉田さんを僕の友人に紹介したんです。その家は僕のクリニックより先に昨年末に竣工したんですよね。数週間前に遊びに行ったばかりです。吉田さんといえば、木のイメージがありますよね。でもその家は総レンガ貼りなんですよ。それもすごく格好良くて!

吉田 ご友人の方はレンガにとてもこだわりがあったんですね。

原田院長 ちなみに、その友人は、工務店を自分のコネクションがある会社にお願いするってことで、吉田さんとは初めましての工務店さんだったんですよね。そういう時ってなかなか仕事がやりずらかったりすることもあるんじゃないかなと思うんですが、素晴らしい家が完成していましたよ。

吉田 その工務店さんとは今2件目をご一緒させてもらっています。

原田院長 そういうお話を聞くと、吉田さんへの信頼は益々深くなりますね。吉田さんは心に太い柱がある感じです。信念をちゃんと持っているというか。でもそれが押し付けがましくないところが、素晴らしいですね。

吉田 そう言っていただけると嬉しいです。ご縁をいただけるのはとても嬉しいことですね。

原田院長 そうそう、内覧見学会でも、クリニック建設を考えている歯医者さんがいらして「素敵ですね〜設計士さん紹介してください」と問い合わせがあったんですよ!

—— ご縁がどんどんつながっていきますね!

事例集:「原田歯科医院」竣工写真のページ

原田歯科医院ホームページ

Photography by Toru Hiraiwa.